六地蔵は、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六道の世界で迷い苦しむ衆生を救う菩薩です。一般に「お地蔵さん」として親しまれています。
保元年間(1156~59)に始まったとされる地蔵巡りは、家庭の安全、健康維持、そして家運の向上を願う伝統的な行事です。
京都の古道の入り口にある六箇所に置かれた地蔵菩薩を参拝するこの行事では、各寺から授かる「お幡」と呼ばれる守り符を家の入口に掛けることで、疫病退散や福徳を招くとされています。
六地蔵めぐり2024いつ?時間や場所など基本情報
『六地蔵巡り』とは、名前の通り、六つの地蔵像を参拝し、無病息災や家内安全を願う行事です。
さらに、各寺院からお幡(はた)を受け取り、自宅の入り口に掛けることで、疫病の退散や福徳を招くと言われる京都の伝統的な風習です。
2024年のイベント詳細は以下になります。
【開催日】
2024年8月22日(木)・23日(金)
【時間】
5:00~22:00
【場所】
大善寺(だいぜんじ)、恋塚浄禅寺(こいづかじょうぜんじ)、桂地蔵寺(かつらじぞうじ)、源光寺(げんこうじ)、上善寺(じょうぜんじ)、徳林庵(とくりんあん)
伏見六地蔵 大善寺 京都市伏見区桃山町西町24
鳥羽地蔵 浄禅寺 南区上鳥羽岩ノ本町93
桂地蔵 桂地蔵寺 京都市西京区桂春日町9
常磐地蔵 源光寺 京都市右京区常盤馬塚町1
鞍馬口蔵 上善寺 京都市北区鞍馬口通寺町東入上善寺門前町338
山科地蔵 徳林庵 京都市山科区四ノ宮泉水16
六地蔵めぐり2024屋台など露店の出店ある?
「六地蔵巡り」は祭りではないものの、夏に寺院で行われることから、どのような屋台や露店が設置されるか気になるところですね。
過去にこの行事が行われた寺院、特に桂地蔵寺、上善寺、そして徳林庵を調査したところ、これらの場所では屋台が出店されていることが確認されています。
特に徳林庵(山科地蔵)では「四ノ宮まつり」が同時に開催され、より多くの屋台が出店される傾向にあります。
続く暑い日が予想される中での巡拝では、かき氷や冷たい飲み物、そして軽食を提供する屋台があると、訪れる人々にとっては大変助かるでしょう。
もっと多くの屋台が出ることを願っています。
六地蔵めぐり2024アクセス
各お地蔵様へのアクセスは以下となります。
【 伏見地蔵(大善寺)】
■電車でのアクセス
JR奈良線、京阪宇治線、京都市営地下鉄東西線「六地蔵」駅から徒歩約10分
■バスでのアクセス
京阪バス 3・6・87・88系統ほか「東町」下車してすぐ
■車でのアクセス
名神高速道路「京都南」ICから約10分
名神高速道路「京都東」ICから約20分
【 鳥羽地蔵(浄禅寺)】
■電車でのアクセス
近鉄京都線「上鳥羽口」駅から徒歩約23分
近鉄京都線、京都市営地下鉄烏丸線「竹田」駅から徒歩約20分
■バスでのアクセス
京都市営バス18号系統「地蔵前」下車してすぐ
京都市営バス19号系統「鳥羽大橋北詰」下車、徒歩約5分
■車でのアクセス
名神高速道路「京都南」ICから約4分
【 桂地蔵(地蔵寺) 】
■電車でのアクセス
阪急京都線・嵐山線「桂」駅東口から徒歩約5分
■バスでのアクセス
京都市営バス 33・特33・69・70・南1・特南1号系統「桂消防署前」下車してすぐ
■車でのアクセス
名神高速道路「京都南」ICから約20分
【 常盤地蔵(源光寺)】
■電車でのアクセス
京福電鉄(嵐電)北野線「常盤」駅から南へ徒歩約3分
■バスでのアクセス
京都市営バス 75・91・93・特93号系統「常盤・嵯峨野高校前」下車、南へ徒歩約4分
京都バス 81・84系統「常盤・嵯峨野高校前」下車、南へ徒歩約4分
【 鞍馬口地蔵(上善寺)】
■電車でのアクセス
京都市営地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅から東へ徒歩約5分
■バスでのアクセス
京都市営バス 37号系統「出雲路橋」下車、西へ徒歩約3分
京都バス 30・26急行系統「出雲路橋」下車、西へ徒歩約3分
京都バス 45系統「烏丸鞍馬口」下車、徒歩約5分
【 山科地蔵(徳林庵)】
■電車でのアクセス
JR琵琶湖線、京都市営地下鉄東西線「山科」駅から東へ徒歩約10分
京阪京津線「四宮」駅から西へ徒歩約5分
■バスでのアクセス
京阪バス 48系統「四ノ宮」下車、徒歩約5分
■車でのアクセス
名神高速道路「京都東」ICから約5分
六地蔵めぐり2024駐車場
臨時駐車場はありませんが、各お寺の駐車場は以下となります。
●大善寺 あり(10台:無料)
●浄禅寺 あり(乗用車10台、マイクロバス1台:無料)
●桂・地蔵寺 なし
●源光寺 なし
●上善寺 あり(駐車台数不明)
●徳林庵 あり(3台:無料)
六地蔵めぐり歴史や由来
大善寺(伏見地蔵)に残る1665年(寛文5年)の記録「六地蔵縁起」によると、この地蔵は平安時代初期の文人・小野篁(おののたかむら)に関連しています。
小野篁は役人であり、歌人としても活躍した人物で、一時は遣唐副使を辞退し隠岐に流されたものの、後に赦されて高官にまで昇進しました。
伝承によれば、小野篁はこの世とあの世を行き来する不思議な力を持ち、閻魔大王の下で冥官として裁判を助けたとされています。
849年(嘉祥2年)に重病に陥った際、冥界を訪れて生身の地蔵菩薩と遭遇し、その助力で人間界へ戻り、多くの人々を救う使命を受けました。
この奇跡に感銘を受けた篁は、852年(仁寿2年)に木幡山の大きな桜の木から6体の地蔵像を彫り、それらを伏見街道入口に当たる現在の大善寺に祀りました。
1156年(保元2年)、平清盛の指示で、そのうちの1体が大善寺に留まり、残りの5体が京都を往来する旅人の安全や疫病退散、福徳招来を願い、各主要街道口に建立された六角堂に祀られました。
これが六地蔵巡りの起源とされています。
六地蔵めぐり2024お幡やご利益など
「六地蔵めぐり」は、京都で800年以上続く伝統的な行事で、六地蔵が最初から六箇所に置かれていたわけではありません。
六地蔵が作られ、各寺院に安置された経緯について説明します。
この地蔵を作成したのは平安時代初期の人物、「小野 篁(おののたかむら)」です。
篁が重病に陥り仮死状態(一説には死亡していたとも)になった際、地獄で苦しむ人々を救う地蔵菩薩に遭遇し、「地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六道を巡り救いを行っている」と告げられ、「この事実を広めてほしい」と依頼されました。篁は意識を取り戻し、すぐに桜の木から六体の地蔵菩薩を彫り、それを上善寺(伏見六地蔵)に祀りました。
1157年、これらの地蔵像が疫病から街を守るために京都に繋がる六つの街道口に設置され、それが「六地蔵めぐり」の始まりとされています。各寺院から授かる6種のお幡(はた)を玄関に吊るすと、厄病退散や福徳招来の効果があると言われています。
訪問時はクリアファイルなどを持参してお幡をきれいに持ち帰ることをおすすめします。
残暑や晩夏の時期に行われるこの行事では、暑さが厳しいため、熱中症対策を十分に行ってください。
六地蔵めぐりは早朝から夜遅くまで開催されるため、訪れる際は適切な対策をお忘れなく。
六地蔵めぐり2024まとめ
京都の古い六街道の各出入り口に位置するお地蔵さんを巡り、無病息災を願う習慣があります。
この京都の伝統では、旧街道の6つの入口に設置されたお地蔵さんを順番に参拝し、家内安全や無病息災を祈る行事です。
各寺から授かる六種類のお幡(はた)を自宅の入口に掛けることで、病気の退散や福徳の招来が期待されます。
この800年以上続く伝統行事は、多くの人々に受け継がれています。